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技術ニュース(2026-01-11)

Confidential Computingは、クラウド環境で実行中のデータ(メモリ内データ)をハードウェアレベルで保護する技術です。これにより、クラウドプロバイダーを含む第三者からの機密データの不正アクセスや改ざんリスクを大幅に低減し、よりセキュアなクラウド利用を可能にします。

Confidential Computing

Confidential Computingは、クラウド環境で実行中のデータ(メモリ内データ)をハードウェアレベルで保護する技術です。これにより、クラウドプロバイダーを含む第三者からの機密データの不正アクセスや改ざんリスクを大幅に低減し、よりセキュアなクラウド利用を可能にします。

実行中のデータも保護するConfidential Computingがクラウドセキュリティの新標準へ

背景・詳細説明 近年、企業がクラウドへの移行を加速させる中で、データのセキュリティとプライバシーは最大の懸念事項の一つとなっています。これまでのセキュリティ対策は、保存されているデータ(データ・アット・レスト)と転送中のデータ(データ・イン・トランジット)の暗号化に焦点を当ててきました。しかし、データがCPU上で処理されている最中(データ・イン・ユース)は、システム管理者や悪意のある内部犯行者によってアクセスされるリスクが残されていました。 Confidential Computingは、この「データ・イン・ユース」の保護を実現する技術です。具体的には、CPUのTrusted Execution Environment (TEE) と呼ばれる隔離された領域を利用し、その中でコードとデータを実行します。このTEE内では、データは暗号化された状態で処理され、外部からはアクセスすることも、改ざんすることも非常に困難になります。主要なハードウェアベンダー(Intel SGX, AMD SEV, ARM CCAなど)がそれぞれTEE技術を提供しており、Microsoft Azure、Google Cloud、AWSといった主要クラウドプロバイダーもConfidential Computingサービスを提供し始めています。これにより、機密性の高い個人情報や企業の知的財産、AIモデルなどのデータも、より安心してクラウド上で処理できるようになります。

エンジニアへの影響・今後の展望 Confidential Computingの普及は、セキュリティ設計のあり方に大きな変化をもたらします。ソフトウェアエンジニアは、アプリケーションをTEE環境で実行するための設計や実装、既存アプリケーションの移行方法を学ぶ必要が出てくるでしょう。これには、TEEに合わせたライブラリやフレームワークの選定、特定のセキュリティポリシーに準拠した開発プロセスの確立などが含まれます。また、クラウドインフラエンジニアは、Confidential Computingをサポートする環境の構築・運用、キー管理システムの統合など、新しいインフラ管理のスキルが求められます。 将来的には、医療データ分析、金融取引、ブロックチェーン、マルチパーティ計算、AI/MLモデルの学習・推論など、高度な機密性を要求される多様なユースケースでの採用が加速すると見込まれます。Confidential Computingは、クラウドのセキュリティと信頼性を次のレベルへと引き上げ、より広範なビジネス変革を後押しする重要な基盤技術となるでしょう。