情報システムにおけるユーザーアカウント管理と集合論
複数の情報システムに存在するユーザーアカウント群を集合としてモデル化し、システムの統合やデータ移行の際に生じるユーザーの重複、一意なユーザーの識別、そして異なるシステム間のユーザーとアクセス権限の組み合わせといった課題を集合演算(和集合、共通部分、差集合)と直積を用いて分析します。 ## 情報システムにおけるユーザーアカウント管理と集合論 ある企業が複数の情報システムを運用しており、それぞれの
集合論
複数の情報システムに存在するユーザーアカウント群を集合としてモデル化し、システムの統合やデータ移行の際に生じるユーザーの重複、一意なユーザーの識別、そして異なるシステム間のユーザーとアクセス権限の組み合わせといった課題を集合演算(和集合、共通部分、差集合)と直積を用いて分析します。
情報システムにおけるユーザーアカウント管理と集合論
ある企業が複数の情報システムを運用しており、それぞれのシステムにユーザーアカウントが存在します。システムの統合を検討するにあたり、ユーザーアカウントの集合論的な分析が必要となりました。
システムAのユーザーアカウントの集合を $U_A$、システムBのユーザーアカウントの集合を $U_B$ とします。 さらに、システムAには「管理者 (Admin)」権限を持つユーザーの集合 $P_A$、システムBには「開発者 (Developer)」権限を持つユーザーの集合 $P_B$ が存在するとします。
具体例として、以下のアカウント情報が与えられます。 $U_A = { \text{alice}, \text{bob}, \text{carol}, \text{david} }$ $U_B = { \text{bob}, \text{david}, \text{eve}, \text{frank} }$ $P_A = { \text{alice}, \text{carol} }$ (管理者権限を持つ $U_A$ のユーザー) $P_B = { \text{bob}, \text{eve} }$ (開発者権限を持つ $U_B$ のユーザー)
以下の問いに答えなさい。
(1) 全てのシステムを通じて、重複を除いた一意なユーザーアカウントの総数を求め、その集合を記述しなさい。 (2) システムAとシステムBの両方にアカウントを持つユーザーの集合を記述しなさい。 (3) システムAにはアカウントを持つが、システムBにはアカウントを持たないユーザーの集合を記述しなさい。 (4) システムAの管理者権限を持つユーザーのうち、システムBにはアカウントを持たないユーザーの集合を記述しなさい。 (5) システムAの全ユーザーアカウント $U_A$ とシステムBの全ユーザーアカウント $U_B$ の直積 $U_A \times U_B$ の要素数を求めなさい。この直積は、例えば、システムAからシステムBへのデータ移行時にユーザーマッピングを検討する際の潜在的な関連付けの可能性を表すことがあります。 (6) システムAの管理者権限を持つユーザー $P_A$ とシステムBの開発者権限を持つユーザー $P_B$ の直積 $P_A \times P_B$ の要素を全て記述しなさい。これは、異なるシステム間で特定の役割を持つユーザーペアが共同作業を行う可能性のある組み合わせを表します。
解答を見る
解答と解説
(1) 全てのシステムを通じて、重複を除いた一意なユーザーアカウントは、集合の和集合 $U_A \cup U_B$ で表されます。 $U_A \cup U_B = { \text{alice}, \text{bob}, \text{carol}, \text{david} } \cup { \text{bob}, \text{david}, \text{eve}, \text{frank} }$ $= { \text{alice}, \text{bob}, \text{carol}, \text{david}, \text{eve}, \text{frank} }$ 総数は $|U_A \cup U_B| = 6$ です。
(2) システムAとシステムBの両方にアカウントを持つユーザーは、集合の共通部分 $U_A \cap U_B$ で表されます。 $U_A \cap U_B = { \text{alice}, \text{bob}, \text{carol}, \text{david} } \cap { \text{bob}, \text{david}, \text{eve}, \text{frank} }$ $= { \text{bob}, \text{david} }$
(3) システムAにはアカウントを持つが、システムBにはアカウントを持たないユーザーは、集合の差集合 $U_A \setminus U_B$ (または $U_A - U_B$) で表されます。 $U_A \setminus U_B = { \text{alice}, \text{bob}, \text{carol}, \text{david} } \setminus { \text{bob}, \text{david}, \text{eve}, \text{frank} }$ $= { \text{alice}, \text{carol} }$
(4) システムAの管理者権限を持つユーザーのうち、システムBにはアカウントを持たないユーザーは、$P_A \setminus U_B$ で表されます。 $P_A = { \text{alice}, \text{carol} }$ $P_A \setminus U_B = { \text{alice}, \text{carol} } \setminus { \text{bob}, \text{david}, \text{eve}, \text{frank} }$ $= { \text{alice}, \text{carol} }$ 解説: この結果は(3)の結果と一致しますが、これは偶然です。$P_A$ の要素がすべて $U_A \setminus U_B$ に含まれていたためこのような結果になりました。一般には異なる結果になります。
(5) 直積 $U_A \times U_B$ の要素数は、それぞれの集合の要素数の積で求められます。 $|U_A| = 4$ $|U_B| = 4$ $|U_A \times U_B| = |U_A| \times |U_B| = 4 \times 4 = 16$
(6) 直積 $P_A \times P_B$ の要素は、$(p_a, p_b)$ の形式で $p_a \in P_A$ かつ $p_b \in P_B$ となる全ての順序対です。 $P_A = { \text{alice}, \text{carol} }$ $P_B = { \text{bob}, \text{eve} }$ $P_A \times P_B = { (\text{alice}, \text{bob}), (\text{alice}, \text{eve}), (\text{carol}, \text{bob}), (\text{carol}, \text{eve}) }$