情報システムにおけるデータブロックの整合性チェックと整数論
情報システムにおけるデータ整合性の確認に用いられる簡易チェックサムの計算を題材に、整数論の剰余と合同式の概念を応用する問題です。複数のデータブロックとそれに対応するチェックサムが与えられ、一部のデータが不明な場合に、失われたデータの値を推定します。
整数論
情報システムにおけるデータ整合性の確認に用いられる簡易チェックサムの計算を題材に、整数論の剰余と合同式の概念を応用する問題です。複数のデータブロックとそれに対応するチェックサムが与えられ、一部のデータが不明な場合に、失われたデータの値を推定します。
情報システムにおけるデータブロックの整合性チェックと整数論
ある情報システムでは、重要なデータブロックの整合性を確認するために、簡易的なチェックサムを採用しています。このチェックサムは、データブロックを構成する複数の数値の合計を特定の定数で割った余りとして定義されます。
チェックサムの計算式は以下の通りです。 $C = (D_1 + D_2 + \dots + D_n) \pmod M$ ここで、$D_i$ はデータブロック内の各数値、$M$ はシステムで定められた定数(モジュラス)、$C$ は計算されたチェックサムです。
ある時、システム管理者がデータブロックを監視していたところ、以下の情報を持つデータブロックを発見しました。
- データブロックは4つの整数 $D_1, D_2, D_3, D_4$ で構成されています。
- モジュラス $M$ は $9$ です。
- このデータブロックの正しいチェックサム $C$ は $5$ であることが確認されています。
- 現在判明しているデータは $D_1 = 35$, $D_2 = 18$, $D_3 = 61$ です。
- しかし、$D_4$ の値が何らかの原因で失われたか、あるいは不正に変更された可能性があります。
- $D_4$ は $0$ から $100$ までの整数であることが分かっています。
この情報に基づいて、$D_4$ の取りうる値をすべて特定してください。
解答を見る
問題で与えられた情報から、以下の合同式が成り立ちます。 $(D_1 + D_2 + D_3 + D_4) \pmod M = C$
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既知の値を代入し、合同式を構成する: 与えられた値は $D_1 = 35$, $D_2 = 18$, $D_3 = 61$, $M = 9$, $C = 5$ です。 これを合同式に代入すると、 $(35 + 18 + 61 + D_4) \pmod 9 = 5$
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既知の数値の合計を計算し、モジュラス $M$ での余りを求める: まず、既知のデータ $D_1, D_2, D_3$ の合計を計算します。 $35 + 18 + 61 = 114$
次に、この合計をモジュラス $M=9$ で割った余りを求めます。 $114 \div 9 = 12$ 余り $6$ よって、$114 \equiv 6 \pmod 9$
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合同式を簡略化する: これで、合同式は次のように簡略化されます。 $(6 + D_4) \pmod 9 = 5$
これは、$(6 + D_4)$ が $9$ で割ると $5$ 余る数であることを意味します。 合同式の性質から、次のように書くことができます。 $6 + D_4 \equiv 5 \pmod 9$
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$D_4$ について解く: 両辺から $6$ を引きます。 $D_4 \equiv 5 - 6 \pmod 9$ $D_4 \equiv -1 \pmod 9$
負の余りは、モジュラスを足すことで正の余りに変換できます。 $D_4 \equiv -1 + 9 \pmod 9$ $D_4 \equiv 8 \pmod 9$
これは、$D_4$ を $9$ で割ると $8$ 余る数であることを示しています。 したがって、$D_4$ は一般的に $9k + 8$ の形で表される整数です($k$ は任意の整数)。
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$D_4$ の範囲制約を適用する: 問題文には、$D_4$ が $0$ から $100$ までの整数であるという制約があります。 この範囲内で $9k + 8$ の形をとる値を列挙します。
- $k=0$ のとき: $D_4 = 9 \times 0 + 8 = 8$
- $k=1$ のとき: $D_4 = 9 \times 1 + 8 = 17$
- $k=2$ のとき: $D_4 = 9 \times 2 + 8 = 26$
- $k=3$ のとき: $D_4 = 9 \times 3 + 8 = 35$
- $k=4$ のとき: $D_4 = 9 \times 4 + 8 = 44$
- $k=5$ のとき: $D_4 = 9 \times 5 + 8 = 53$
- $k=6$ のとき: $D_4 = 9 \times 6 + 8 = 62$
- $k=7$ のとき: $D_4 = 9 \times 7 + 8 = 71$
- $k=8$ のとき: $D_4 = 9 \times 8 + 8 = 80$
- $k=9$ のとき: $D_4 = 9 \times 9 + 8 = 89$
- $k=10$ のとき: $D_4 = 9 \times 10 + 8 = 98$
- $k=11$ のとき: $D_4 = 9 \times 11 + 8 = 107$ (これは $100$ を超えるため不適)
したがって、$D_4$ の取りうる値は $8, 17, 26, 35, 44, 53, 62, 71, 80, 89, 98$ です。
最終的な答え: $D_4$ の取りうる値は、$8, 17, 26, 35, 44, 53, 62, 71, 80, 89, 98$ です。