情報システムにおけるID検証と剰余演算
情報システムにおけるデータ整合性チェックや認証プロセスにおいて、剰余演算や合同式はIDの検証や割り当て規則の基礎となります。この問題では、システムで利用されるIDの検証や割り当て規則を整数論の観点から分析し、その応用を理解します。
整数論
情報システムにおけるデータ整合性チェックや認証プロセスにおいて、剰余演算や合同式はIDの検証や割り当て規則の基礎となります。この問題では、システムで利用されるIDの検証や割り当て規則を整数論の観点から分析し、その応用を理解します。
情報システムにおけるID検証と剰余演算
新人エンジニアのあなたは、とある情報システムで利用されるユーザーIDと製品コードの検証ロジックを設計することになりました。システムでは以下のルールが定められています。
- ユーザーID (UID): 6桁の数字列であり、先頭が’0’で始まることはない(例: 123456)。UIDは、その数値が特定の条件を満たす場合にのみ有効とされます。
- 製品コード (PID): 5桁の数字列(例: “12345”)。
以下の問いに答えなさい。
(1) ユーザーIDの検証 システムでは、UIDが「そのUIDを13で割った余りが5と合同である」場合にのみ有効なIDとみなします。 有効なUIDの例を3つ挙げ、それぞれが条件を満たすことを示しなさい。
(2) 製品コードのチェックサム 製品コードPIDは、数値として解釈されます(例: “12345”は数値12345)。システムは、PIDの末尾に1桁のチェックサム$C$(0から9の整数)を追加して、6桁のコード$P’ = \text{PID}C$とします。このチェックサム$C$は、$P’$が7で割り切れるように設定されます。 有効なPIDが”87654”であるとき、これに対応するチェックサム$C$を求め、有効な6桁のコード$P’$を示しなさい。
(3) UIDの割り当て
システムでは、新しいユーザーにUIDを割り当てる際、既に存在する有効なUIDと重複せず、かつ条件(1)を満たす最小のUIDを自動的に生成します。現在、有効なUIDとして100001, 100014, 100027 が既に割り当てられているとします。
次に割り当てるべき有効なUIDを求めなさい。
解答を見る
(1) ユーザーIDの検証
UID $N$ が有効である条件は、$N \equiv 5 \pmod{13}$ です。 6桁のUIDは100000から999999までの範囲です。 まず、最小の6桁の数100000を13で割ってみます。 $100000 = 13 \times 7692 + 4$ したがって、$100000 \equiv 4 \pmod{13}$ です。 条件 $N \equiv 5 \pmod{13}$ を満たすためには、100000に $5 - 4 = 1$ を加算した数が必要です。 $100000 + 1 = 100001$
有効なUIDの例を3つ挙げます。
- 例1: 100001 $100001 \div 13 = 7692$ 余り $5$。よって、$100001 \equiv 5 \pmod{13}$。条件を満たします。
- 例2: 100014 $100001$ が条件を満たすので、次に条件を満たすUIDは $100001 + 13 = 100014$ です。 $100014 \div 13 = 7693$ 余り $5$。よって、$100014 \equiv 5 \pmod{13}$。条件を満たします。
- 例3: 100027 $100014$ が条件を満たすので、次に条件を満たすUIDは $100014 + 13 = 100027$ です。 $100027 \div 13 = 7694$ 余り $5$。よって、$100027 \equiv 5 \pmod{13}$。条件を満たします。
(2) 製品コードのチェックサム
PIDが”87654”なので、数値$P = 87654$です。 チェックサム$C$を追加した6桁のコード$P’$は、$P’ = P \times 10 + C$ と表せます。 $P’$が7で割り切れるという条件は、$P’ \equiv 0 \pmod{7}$ を意味します。 これを式にすると、$10 \times 87654 + C \equiv 0 \pmod{7}$ となります。 $876540 + C \equiv 0 \pmod{7}$
まず、$876540$を7で割った余りを求めます。 $876540 = 7 \times 125220 + 0$ したがって、$876540 \equiv 0 \pmod{7}$ です。
これを合同式に代入すると、 $0 + C \equiv 0 \pmod{7}$ $C \equiv 0 \pmod{7}$
チェックサム$C$は0から9までの1桁の数字です。この条件を満たす$C$は、$0$または$7$です。 システム設計によってはどちらか一方が採用されますが、問題文には明記されていないため、両方の可能性を考慮します。
- $C=0$ の場合: 有効な6桁のコード$P’$は $876540$ です。 $876540 \div 7 = 125220$ (余り $0$)。
- $C=7$ の場合: 有効な6桁のコード$P’$は $876547$ です。 $876547 \div 7 = 125221$ (余り $0$)。
(3) UIDの割り当て
有効なUIDは条件(1)により $N \equiv 5 \pmod{13}$ を満たすものです。
既に割り当てられている有効なUIDは100001, 100014, 100027 です。
これらはすべて$N \equiv 5 \pmod{13}$の条件を満たしており、それぞれが$13$ずつ増加する等差数列を形成しています。
次に割り当てるべきUIDは、これらの既に存在するUIDと重複せず、かつ条件を満たす最小の数です。
これは、最も大きい既存のUIDである100027に$13$を加算することで求められます。
$100027 + 13 = 100040$
したがって、次に割り当てるべき有効なUIDは100040です。