離散数学

ユーザーアクセス権限の集合論的分析

情報システムにおけるユーザーのアクセス権限管理を集合論を用いてモデル化し、集合演算によって特定の権限組み合わせを分析する問題です。これにより、システム設計やセキュリティポリシー策定における集合論の実践的応用を理解します。

集合論

情報システムにおけるユーザーのアクセス権限管理を集合論を用いてモデル化し、集合演算によって特定の権限組み合わせを分析する問題です。これにより、システム設計やセキュリティポリシー策定における集合論の実践的応用を理解します。

ユーザーアクセス権限の集合論的分析

ある情報システムにおいて、利用可能なリソースとそのリソースにアクセスできるユーザーグループが以下のように定義されています。

利用可能な全リソース (U): U = {ユーザー管理, ログ閲覧, データ分析, レポート生成, 設定変更, 監査}

ユーザーグループとそのアクセス可能なリソースの集合:

  • 開発者グループ (D): D = {ユーザー管理, ログ閲覧, データ分析, 設定変更}
  • 管理者グループ (A): A = {ユーザー管理, ログ閲覧, 設定変更, 監査}
  • アナリストグループ (B): B = {データ分析, レポート生成, ログ閲覧}

以下の問いに答えなさい。

  1. 開発者グループと管理者グループのどちらか一方でもアクセスできるリソースの集合 D ∪ A を求めなさい。
  2. 開発者グループと管理者グループが共通してアクセスできるリソースの集合 D ∩ A を求めなさい。
  3. 開発者グループはアクセスできるが、アナリストグループはアクセスできないリソースの集合 D \ B を求めなさい。
  4. 開発者グループまたは管理者グループがアクセスできるリソースのうち、アナリストグループもアクセスできるリソースの集合 (D ∪ A) ∩ B を求めなさい。
  5. システム管理者が、ユーザー管理機能とログ閲覧機能のみで構成される部分的な権限セットを定義しようと考えています。この部分的な権限セットが取りうるすべての組み合わせ(つまり、集合 {ユーザー管理, ログ閲覧} のべき集合)を求めなさい。
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解説と解答のステップ:

まず、与えられた集合を明確にします。 U = {ユーザー管理, ログ閲覧, データ分析, レポート生成, 設定変更, 監査} D = {ユーザー管理, ログ閲覧, データ分析, 設定変更} A = {ユーザー管理, ログ閲覧, 設定変更, 監査} B = {データ分析, レポート生成, ログ閲覧}

  1. 開発者グループと管理者グループのどちらか一方でもアクセスできるリソースの集合 D ∪ A を求めなさい。 これは集合の和(Union)を求める問題です。D ∪ A は、Dに属する要素またはAに属する要素、あるいはその両方に属する要素からなる集合です。 D = {ユーザー管理, ログ閲覧, データ分析, 設定変更} A = {ユーザー管理, ログ閲覧, 設定変更, 監査} これらの要素をすべて集め、重複を除くと以下のようになります。 D ∪ A = {ユーザー管理, ログ閲覧, データ分析, 設定変更, 監査}

  2. 開発者グループと管理者グループが共通してアクセスできるリソースの集合 D ∩ A を求めなさい。 これは集合の積(Intersection)を求める問題です。D ∩ A は、DとAの両方に属する共通の要素からなる集合です。 D = {ユーザー管理, ログ閲覧, データ分析, 設定変更} A = {ユーザー管理, ログ閲覧, 設定変更, 監査} DとAに共通する要素は以下の通りです。 D ∩ A = {ユーザー管理, ログ閲覧, 設定変更}

  3. 開発者グループはアクセスできるが、アナリストグループはアクセスできないリソースの集合 D \ B を求めなさい。 これは集合の差(Difference)を求める問題です。D \ B は、Dに属する要素のうちBには属さない要素からなる集合です。 D = {ユーザー管理, ログ閲覧, データ分析, 設定変更} B = {データ分析, レポート生成, ログ閲覧} DからBに存在する要素(データ分析, ログ閲覧)を除外します。 D \ B = {ユーザー管理, 設定変更}

  4. 開発者グループまたは管理者グループがアクセスできるリソースのうち、アナリストグループもアクセスできるリソースの集合 (D ∪ A) ∩ B を求めなさい。 この問題は、まず括弧内の D ∪ A を計算し、その結果と B の積を求めます。 ステップ1で D ∪ A = {ユーザー管理, ログ閲覧, データ分析, 設定変更, 監査} と求まりました。 次に、この結果と B の積を求めます。 (D ∪ A) ∩ B = {ユーザー管理, ログ閲覧, データ分析, 設定変更, 監査} ∩ {データ分析, レポート生成, ログ閲覧} これらの集合に共通する要素は以下の通りです。 (D ∪ A) ∩ B = {ログ閲覧, データ分析}

  5. システム管理者が、ユーザー管理機能とログ閲覧機能のみで構成される部分的な権限セットを定義しようと考えています。この部分的な権限セットが取りうるすべての組み合わせ(つまり、集合 {ユーザー管理, ログ閲覧} のべき集合)を求めなさい。 この問題は、与えられた集合のべき集合(Power Set)を求める問題です。 対象となる集合を S = {ユーザー管理, ログ閲覧} とします。 べき集合 P(S) は、S のすべての部分集合を要素とする集合です。 集合 S には2つの要素があります。要素が n 個の集合のべき集合には 2^n 個の要素が含まれるため、この場合は 2^2 = 4 個の部分集合が存在します。 これらの部分集合は、要素を1つも含まない集合(空集合)、1つの要素を含む集合、そしてすべての要素を含む集合です。 P(S) = { ∅, {ユーザー管理}, {ログ閲覧}, {ユーザー管理, ログ閲覧} }