情報システムネットワークの連結性と堅牢性分析
情報システムにおけるコンポーネント間の通信ネットワークをグラフとしてモデル化し、特定の通信経路の障害がシステム全体の連結性に与える影響を分析します。これにより、システムの堅牢性や冗長性を評価する基礎を養います。
グラフ理論
情報システムにおけるコンポーネント間の通信ネットワークをグラフとしてモデル化し、特定の通信経路の障害がシステム全体の連結性に与える影響を分析します。これにより、システムの堅牢性や冗長性を評価する基礎を養います。
情報システムネットワークの連結性と堅牢性分析
ある情報システムは、複数のサービスコンポーネントから構成されており、それらの間の通信経路はネットワークとして表現できます。このネットワークは、頂点 $V$ をサービスコンポーネント、辺 $E$ を通信経路とするグラフ $G=(V, E)$ でモデル化されます。
現在、このシステムは常に全てのコンポーネントが互いに通信可能である(すなわち、グラフは連結である)ことが保証されています。
以下のグラフが与えられたとき、1本の辺(通信経路)が除去された場合に、システム全体が非連結となる可能性のある辺を全て挙げてください。 また、それぞれの辺が除去された場合にどの部分が分断されるか簡潔に説明してください。
グラフ $G=(V, E)$ $V = {S_1, S_2, S_3, S_4, S_5, S_6, S_7}$ $E = {(S_1, S_2), (S_2, S_3), (S_3, S_1), (S_3, S_4), (S_4, S_5), (S_5, S_6), (S_6, S_4), (S_6, S_7)}$
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1. グラフの図示
与えられたグラフを図示すると以下のようになります。
S1 -- S2
| /
S3 -- S4 -- S5
| /
S6 -- S7
このグラフは、左側の ${S_1, S_2, S_3}$ の閉路(サイクル)と、右側の ${S_4, S_5, S_6}$ の閉路があり、それらが辺 $(S_3, S_4)$ で連結され、さらに辺 $(S_6, S_7)$ で $S_7$ が接続されています。
2. 各辺の除去による連結性の評価
各辺について、それが除去された場合にグラフが非連結になるかどうかを検討します。グラフが非連結になる辺は、残りの辺だけでは全ての頂点間にパスが存在しなくなる辺です。
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(S1, S2) の除去: $S_1$ と $S_2$ は、パス $S_1 - S_3 - S_2$ によって引き続き通信可能です。したがって、グラフは連結のままです。
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(S2, S3) の除去: $S_2$ と $S_3$ は、パス $S_2 - S_1 - S_3$ によって引き続き通信可能です。したがって、グラフは連結のままです。
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(S3, S1) の除去: $S_3$ と $S_1$ は、パス $S_3 - S_2 - S_1$ によって引き続き通信可能です。したがって、グラフは連結のままです。
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(S3, S4) の除去: この辺を除去すると、$S_3$ を含むコンポーネント ${S_1, S_2, S_3}$ と、$S_4$ を含むコンポーネント ${S_4, S_5, S_6, S_7}$ の間に通信経路がなくなります。例えば、$S_1$ から $S_4$ へのパスが存在しなくなります。したがって、グラフは非連結になります。
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(S4, S5) の除去: $S_4$ と $S_5$ は、パス $S_4 - S_6 - S_5$ によって引き続き通信可能です。したがって、グラフは連結のままです。
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(S5, S6) の除去: $S_5$ と $S_6$ は、パス $S_5 - S_4 - S_6$ によって引き続き通信可能です。したがって、グラフは連結のままです。
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(S6, S4) の除去: $S_6$ と $S_4$ は、パス $S_6 - S_5 - S_4$ によって引き続き通信可能です。したがって、グラフは連結のままです。
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(S6, S7) の除去: この辺を除去すると、$S_7$ は他のどのコンポーネントとも通信できなくなります。例えば、$S_1$ から $S_7$ へのパスが存在しなくなります。したがって、グラフは非連結になります。
3. 非連結となる可能性のある辺
1本の辺が除去された場合にシステム全体が非連結となる可能性のある辺は、以下の通りです。
- 辺 $(S_3, S_4)$
- 除去されると、コンポーネントの集合 ${S_1, S_2, S_3}$ と ${S_4, S_5, S_6, S_7}$ が分断され、互いに通信できなくなります。
- 辺 $(S_6, S_7)$
- 除去されると、コンポーネント $S_7$ が他のすべてのコンポーネント ${S_1, S_2, S_3, S_4, S_5, S_6}$ から孤立し、通信できなくなります。
これらの辺は「橋 (bridge)」と呼ばれるものであり、情報システム設計においては単一障害点となりうるため、冗長性の確保や監視が重要になります。