離散数学

Webアプリケーションにおけるアクセス制御ポリシーの簡略化

Webアプリケーションにおけるアクセス制御ポリシーをブール代数で表現し、その論理式を簡略化する問題です。これにより、複雑なセキュリティ要件を明確にし、効率的なシステム設計を行う能力を養います。

ブール代数

Webアプリケーションにおけるアクセス制御ポリシーをブール代数で表現し、その論理式を簡略化する問題です。これにより、複雑なセキュリティ要件を明確にし、効率的なシステム設計を行う能力を養います。

Webアプリケーションにおけるアクセス制御ポリシーの簡略化

あるWebアプリケーションにおいて、ユーザーのアクセスを許可するかどうかを決定するロジックを設計しています。以下の論理変数を用いて、現在のアクセス許可ポリシーをブール式で表現しました。このブール式を、ブール代数の法則(結合律、分配律、吸収律、ド・モルガンの法則など)を適用して最も簡略化された形にしてください。

論理変数:

  • U: ユーザーがシステムにログインしている (真=1, 偽=0)
  • A: ユーザーが管理者権限を持っている (真=1, 偽=0)
  • R: 要求されたリソースが制限付きである (真=1, 偽=0, つまり !R は公開リソースを意味する)
  • M: 要求されたアクションが変更操作である (真=1, 偽=0, つまり !M は閲覧などの非変更操作を意味する)

現在のアクセス許可ポリシー (X) を表すブール式: X = (U AND A) OR (U AND !R AND !M) OR (!R AND U) OR (!R AND !A AND !M)

簡略化されたブール式を導出し、その式がどのようなアクセス制御ポリシーを意味するかを日本語で説明してください。

解答を見る

解答と解説:

与えられたブール式は次の通りです。 X = (U AND A) OR (U AND !R AND !M) OR (!R AND U) OR (!R AND !A AND !M)

この式を簡略化するために、ブール代数の法則を適用していきます。

ステップ 1: 項の順序を整理し、共通項を見つける まず、式を読みやすくするために項を少し並べ替えてみます。 X = (U AND A) OR (U AND !R AND !M) OR (U AND !R) OR (!A AND !M AND !R)

ステップ 2: 吸収律 (Y OR (Y AND Z)) = Y の適用 第2項 (U AND !R AND !M) は、第3項 (U AND !R) の一部です。 ここで、Y = (U AND !R) とおくと、(U AND !R) OR (U AND !R AND !M)Y OR (Y AND !M) の形になります。 吸収律により、Y OR (Y AND !M) = Y と簡略化できます。 したがって、(U AND !R) OR (U AND !R AND !M)(U AND !R) となります。

元の式に適用すると: X = (U AND A) OR (U AND !R) OR (!A AND !M AND !R)

ステップ 3: 分配律 Y AND (Z1 OR Z2) = (Y AND Z1) OR (Y AND Z2) の逆適用 残りの式で、第2項と第3項に !R が共通しています。 X = (U AND A) OR (!R AND U) OR (!R AND !A AND !M) X = (U AND A) OR (!R AND (U OR (!A AND !M)))

これ以上、一般的なブール代数の法則(吸収律、同一律、相補律、ド・モルガンの法則、結合律、分配律)を適用して簡略化することは難しいので、これが最も簡略化された形となります。

簡略化されたブール式: X = (U AND A) OR (!R AND (U OR (!A AND !M)))

簡略化された式の意味:

この簡略化されたブール式 X は、アクセスが許可される条件を次のように解釈できます。

  1. ユーザーがシステムにログインしており (U)、かつ管理者権限を持っている (A) 場合: この場合、要求されたリソースが制限付きか公開リソースか、また操作が変更操作か非変更操作かに関わらず、常にアクセスが許可されます。

  2. または、要求されたリソースが公開されている (!R) 場合、かつ以下のいずれかの条件を満たす場合:

    • ユーザーがシステムにログインしている (U): 公開リソースであれば、ログインしているだけでアクセスが許可されます。
    • ユーザーが管理者権限を持っておらず (!A)、かつ要求されたアクションが変更操作ではない (!M) 場合: 公開リソースであれば、ログインしていなくても、管理者権限がなくても、閲覧などの非変更操作であればアクセスが許可されます。

より自然な日本語でまとめると、このアクセス制御ポリシーは次のようになります。

「アクセスが許可されるのは、

  1. ユーザーが管理者としてログインしている場合または
  2. 要求されたリソースが公開リソースである場合(この場合、以下のいずれかの条件でアクセスが許可される):
    • ユーザーがログインしている
    • ユーザーが管理者ではなく、かつ要求された操作が変更操作ではない