離散数学

複数システムにおけるユーザーデータの統合と分析

複数の情報システムに分散しているユーザーデータを集合として扱い、集合演算(和集合、積集合、補集合、差集合)を応用して、特定の条件を満たすユーザーグループを効率的に特定する方法を学びます。これにより、データ統合やユーザー分析における集合論の実践的な活用能力を養います。

集合論

複数の情報システムに分散しているユーザーデータを集合として扱い、集合演算(和集合、積集合、補集合、差集合)を応用して、特定の条件を満たすユーザーグループを効率的に特定する方法を学びます。これにより、データ統合やユーザー分析における集合論の実践的な活用能力を養います。

複数システムにおけるユーザーデータの統合と分析

ある企業は、顧客管理システム(CRM)、マーケティングオートメーションシステム(MA)、カスタマーサポートシステム(CS)の3つの主要な情報システムを運用しています。各システムには、それぞれの目的で登録された顧客データが存在しますが、分析のためにこれらのデータを統合し、特定の条件を満たす顧客グループを特定する必要があります。

以下の集合は、各システムに登録されている顧客のIDを示しています。全体の顧客IDは、すべてのシステムに登録されている可能性のある顧客のIDを表すユニバース $U$ とします。

ユニバース $U = {c1, c2, c3, c4, c5, c6, c7, c8, c9, c10, c11, c12}$ CRMシステムの顧客集合 $C = {c1, c2, c3, c4, c5, c6}$ MAシステムの顧客集合 $M = {c3, c4, c6, c7, c8}$ CSシステムの顧客集合 $S = {c1, c5, c7, c9, c10}$

以下の問いに答えなさい。

  1. CRMシステムとMAシステムの両方に登録されている顧客の集合を求め、その顧客数を答えなさい。
  2. CRMシステムまたはCSシステムのいずれかに登録されている顧客の集合を求め、その顧客数を答えなさい。
  3. MAシステムに登録されているが、CRMシステムには登録されていない顧客の集合を求め、その顧客数を答えなさい。
  4. 3つのシステムすべてに登録されている顧客の集合を求めなさい。
  5. いずれか1つのシステムのみに登録されている顧客の集合を求めなさい。
  6. ユニバース $U$ の顧客のうち、どのシステムにも登録されていない顧客の集合を求めなさい。
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1. CRMシステムとMAシステムの両方に登録されている顧客の集合と顧客数

これは集合の積集合(共通部分)を求める問題です。$C \cap M$ を計算します。

$C = {c1, c2, c3, c4, c5, c6}$ $M = {c3, c4, c6, c7, c8}$

$C \cap M = {c3, c4, c6}$

顧客数: $|C \cap M| = 3$

解答: ${c3, c4, c6}$ (顧客数: 3)

2. CRMシステムまたはCSシステムのいずれかに登録されている顧客の集合と顧客数

これは集合の和集合を求める問題です。$C \cup S$ を計算します。

$C = {c1, c2, c3, c4, c5, c6}$ $S = {c1, c5, c7, c9, c10}$

$C \cup S = {c1, c2, c3, c4, c5, c6, c7, c9, c10}$

顧客数: $|C \cup S| = 9$

解答: ${c1, c2, c3, c4, c5, c6, c7, c9, c10}$ (顧客数: 9)

3. MAシステムに登録されているが、CRMシステムには登録されていない顧客の集合と顧客数

これは集合の差集合を求める問題です。$M \setminus C$ を計算します。

$M = {c3, c4, c6, c7, c8}$ $C = {c1, c2, c3, c4, c5, c6}$

$M \setminus C = {c7, c8}$ (Mに含まれるがCには含まれない要素)

顧客数: $|M \setminus C| = 2$

解答: ${c7, c8}$ (顧客数: 2)

4. 3つのシステムすべてに登録されている顧客の集合

これは3つの集合の積集合を求める問題です。$C \cap M \cap S$ を計算します。

まず、問1で計算した $C \cap M = {c3, c4, c6}$ を利用します。 次に、この結果と $S$ の積集合を求めます。

$(C \cap M) \cap S = {c3, c4, c6} \cap {c1, c5, c7, c9, c10}$

共通する要素はありません。

解答: $\emptyset$ (空集合)

5. いずれか1つのシステムのみに登録されている顧客の集合

これは、各システムにのみ登録されている顧客の集合をそれぞれ求め、それらの和集合を取ることで求められます。 それぞれの集合は、以下の差集合で表現できます。

  • CRMのみに登録: $C \setminus (M \cup S)$
  • MAのみに登録: $M \setminus (C \cup S)$
  • CSのみに登録: $S \setminus (C \cup M)$

まず、それぞれの和集合を計算します。 $M \cup S = {c3, c4, c6, c7, c8} \cup {c1, c5, c7, c9, c10} = {c1, c3, c4, c5, c6, c7, c8, c9, c10}$ $C \cup S = {c1, c2, c3, c4, c5, c6} \cup {c1, c5, c7, c9, c10} = {c1, c2, c3, c4, c5, c6, c7, c9, c10}$ $C \cup M = {c1, c2, c3, c4, c5, c6} \cup {c3, c4, c6, c7, c8} = {c1, c2, c3, c4, c5, c6, c7, c8}$

次に、各「のみ」の集合を計算します。

  • CRMのみ: $C \setminus (M \cup S)$ $C = {c1, c2, c3, c4, c5, c6}$ $M \cup S = {c1, c3, c4, c5, c6, c7, c8, c9, c10}$ $C \setminus (M \cup S) = {c2}$

  • MAのみ: $M \setminus (C \cup S)$ $M = {c3, c4, c6, c7, c8}$ $C \cup S = {c1, c2, c3, c4, c5, c6, c7, c9, c10}$ $M \setminus (C \cup S) = {c8}$

  • CSのみ: $S \setminus (C \cup M)$ $S = {c1, c5, c7, c9, c10}$ $C \cup M = {c1, c2, c3, c4, c5, c6, c7, c8}$ $S \setminus (C \cup M) = {c9, c10}$

これら3つの集合の和集合が、いずれか1つのシステムのみに登録されている顧客の集合です。 ${c2} \cup {c8} \cup {c9, c10} = {c2, c8, c9, c10}$

解答: ${c2, c8, c9, c10}$

6. ユニバース $U$ の顧客のうち、どのシステムにも登録されていない顧客の集合

これは、ユニバース $U$ から3つのシステムの和集合を引いた集合(補集合)を求める問題です。 $U \setminus (C \cup M \cup S)$ を計算します。

まず、3つのシステムの和集合 $C \cup M \cup S$ を計算します。 $C \cup M = {c1, c2, c3, c4, c5, c6, c7, c8}$ $(C \cup M) \cup S = {c1, c2, c3, c4, c5, c6, c7, c8} \cup {c1, c5, c7, c9, c10}$ $C \cup M \cup S = {c1, c2, c3, c4, c5, c6, c7, c8, c9, c10}$

次に、ユニバース $U$ からこの集合を引きます。 $U = {c1, c2, c3, c4, c5, c6, c7, c8, c9, c10, c11, c12}$ $C \cup M \cup S = {c1, c2, c3, c4, c5, c6, c7, c8, c9, c10}$

$U \setminus (C \cup M \cup S) = {c11, c12}$

解答: ${c11, c12}$